保育園の入園グッズの案内に「防災頭巾」と書かれていて、どんなものを買えばいいのか迷う方は多いです。防災頭巾は園によって扱いがまったく違い、園が用意する場合も、家庭で買って持たせる場合も、そもそも使わない場合もあります。この記事では、買う前に園へ確認したいこと、園児向けのサイズの目安、いやがらずにかぶれるようになる家での練習、名前つけと置き方までを順番にまとめました。まずは「買う前の確認」から始めるのが、いちばんムダのない進め方です。
保育園で防災頭巾は必要?園による違い
結論から言うと、保育園の防災頭巾は「全国共通で必要なもの」ではありません。園の設備や避難計画、地域の慣習によって扱いが分かれます。大きく分けると次の3パターンです。
ひとつめは、園が人数分をまとめて用意していて、家庭では何も買わなくていいパターン。避難訓練のときに保育室の棚から出して使い、園で保管・管理します。ふたつめは、入園グッズの一覧に含まれていて、家庭で購入して持たせるパターン。この場合はサイズや色、カバーの有無まで指定があることもあります。みっつめは、防災頭巾を使わず、園児用ヘルメットや、頭を抱えて低い姿勢を取る避難行動を訓練で徹底しているパターンです。
とくに0〜2歳児クラスでは、そもそも子どもが自分でかぶることを前提にしていない園が少なくありません。乳児クラスは保育士が抱きかかえて避難したり、避難車(お散歩カート)に乗せて運んだりするため、頭巾より抱っこの動きやすさを優先する考え方です。3歳児クラス以降で「自分でかぶる練習」として取り入れる園が多いのは、そのためです。
買うかどうかを自分で判断せず、まず園に「うちのクラスでは使いますか」と聞くところから始めてください。
園指定・推奨の確認ポイント
園から「用意してください」と言われたとき、案内のプリントだけでは判断しきれないことがよくあります。入園説明会や送迎のタイミングで、次の点を確認しておくと買い直しを防げます。
確認したいのは、①指定品か自由購入か(指定業者や型番があるか)②サイズの指定(クラスによって変わるか、進級時に買い替えるか)③カバーや袋が必要か、必要なら形は決まっているか④名前を書く位置と書き方⑤園での置き場所(ロッカー・フック・椅子の背もたれのどれか)——この5つです。とくに④と⑤は園ごとのローカルルールが強く、あとから直すのが面倒な部分です。
もうひとつ、意外と抜けやすいのが「防炎製品ラベル」の扱いです。防災頭巾には日本防炎協会の防炎製品ラベルが付いた認定品があり、燃えにくさに加えて、落下物から頭を守る衝撃吸収の基準も確認されています。園が「防炎ラベル付きのもの」と指定するケースもあるので、指定の有無を聞いておくと安心して選べます。
なお日本防炎協会は、認定を受けていないのにラベルを偽造した防災頭巾がネット通販で確認されたとして注意喚起を出しています(2020年公表)。安すぎる並行品には気をつけたいところです。
園に聞くときの一言メモ
「防災頭巾は家庭で用意しますか。サイズと色の指定、カバーの要否、名前を書く位置を教えてください」——この一文をそのまま聞けば、必要な情報はだいたい揃います。

園児向けのサイズと選び方
防災頭巾は年齢別にサイズ展開があります。園児が使うのは、いわゆる幼児用(S相当)です。市販品の実寸はメーカーによって差がありますが、目安としては次のくらいの範囲に収まります。
| 区分 | おおよその対象 | 寸法の目安(縦×横) |
|---|---|---|
| 幼児用(S) | 3〜7歳ごろ | 37×26cm前後 |
| 小学生用(M) | 小学校低〜高学年 | 45×28cm前後 |
| 中学生〜大人用(L) | 中学生以上 | 50×30cm前後 |
大は小を兼ねません。大きすぎる頭巾は前がずり落ちて視界をふさぎ、走るときにつまずく原因になります。園児には園児用を選ぶのが基本です。
選ぶときに見たいのは、防炎製品ラベルの有無、あごひもがあるか(子どもが自分で留められるタイプか)、そして重さと厚みです。厚手で重い頭巾は保護性能が高い一方、小さい子には首への負担になり、いやがる理由にもなります。園児用は「軽くて視界が開けるもの」を優先して構いません。座布団として使える兼用タイプは、保管場所を取らない反面、椅子に敷いたままにすると劣化が早まります。
製品ごとの違いは子ども用防災頭巾の選び方まとめで詳しく扱っています。価格や在庫は時期で変わるので、購入前に最新の表示を見てください。
いやがらずにかぶれるように:家での練習
防災頭巾は、買って持たせただけでは役に立ちません。小さい子は、視界が狭くなる・耳がふさがれる・重い、という3つの理由でいやがります。いざというときに泣いて拒否してしまうと、避難そのものが遅れます。家で2〜3回かぶってみるだけで、園での訓練の受け止め方がずいぶん変わります。
子どもは「知らないものを頭にかぶせられる」ことをこわがります。大人が先にかぶって、変な顔をしてみせるくらいでちょうどいいです。
最初は10秒で十分。いやがったらすぐ外して、また明日にします。無理強いすると、その頭巾自体をきらいになります。
視界が狭いことに慣れるのが目的です。廊下をゆっくり往復し、足元が見えにくいことを本人に体感させます。
3歳を過ぎたら、留め外しは本人にやらせます。園では保育士の手が足りないので、自分でできる子から避難できます。
練習は「上手にできたね」で終わらせ、地震のこわい話とセットにしないでください。恐怖と結びつけると、次からかぶるのをいやがります。
年に一度、9月の防災の日あたりに家でもかぶり直してみると、サイズが合っているかの点検にもなります。ここまでやれば、家庭での準備としては十分です。

名前つけと置き方(ロッカー・椅子)
名前は、園の指定がなければ「外から見える位置」と「本体の内側」の2か所に入れます。防災頭巾は同じ製品を何人もが使うため、避難後に取り違えが起きやすいからです。外側はカバーや袋にネームテープ、本体は内側のタグ横に油性ペンで記名するのが定番です。
直接布に書くと、洗濯や摩擦で薄くなります。アイロン接着のネームテープを使うか、白い布テープを縫い付けてから書くと長持ちします。ひらがなで大きく書くと、子ども自身が自分のものを見分けられるようになります。
置き方は園のルールが最優先です。個人ロッカーに畳んで入れる園、フックに袋ごと掛ける園、椅子の背もたれにカバーごと装着する園があります。椅子に付けるタイプは、そのまま座って使う時間が長くなるぶん、生地がへたりやすくなります。年度末に一度、へたりや汚れ、あごひもの縫い目を点検して、必要なら買い替えを検討してください。
カバーや袋の準備
カバーを使う理由は、汚れ防止だけではありません。ひとつは、椅子の背もたれや机の横に固定して、いつも同じ場所に置いておくため。もうひとつは、名前や柄で自分のものだと一目で分かるようにするためです。避難のときに「どれが自分のか分からない」時間をなくすのが、いちばんの目的だと考えてください。
市販のカバーを買う場合は、園の指定の形(背もたれ式か、袋式か)を確認してから選びます。手作りする場合はキルティング生地が定番ですが、カバーをかぶせたまま頭にかぶれるタイプかどうかで使い勝手が大きく変わります。取り出す手間が省ける分、小さい子には後者が向いています。
形ごとの違いと作るときの寸法は防災頭巾カバーの選び方・作り方にまとめました。
よくある質問
何歳から使える?
製品の対象としては幼児用(3歳ごろ〜)からですが、実際に「自分でかぶって避難する」ことを求められるのは3歳児クラス以降が中心です。0〜1歳児は自分で頭を守れないため、保育士が抱えて避難する前提の園がほとんどで、頭巾を持たせない園も多くあります。家庭での練習も、あごひもを自分で扱えるようになる3歳前後から始めれば十分間に合います。
卒園後は小学校で使い回せる?
サイズが変わるため、そのまま使い回せることは多くありません。幼児用は縦37cm前後、小学生用は45cm前後と設計が違い、幼児用のままでは肩や背中を覆いきれません。小学校では学校ごとに指定サイズやカバーの形が決まっていることも多いので、入学説明会での案内を待ってから買うほうがムダがありません。小学校での扱いや選び方は小学校の防災頭巾で解説しています。
防災頭巾は、園の方針に合わせて用意し、家で数回かぶってみる。園児のうちはそこまでで十分です。園ごとの指定や最新の製品情報は、入園時の案内やメーカーの公式サイトで確認してください。
