いらなかった防災グッズランキング|正直に言うと使わなかったもの

防災リュックの横に並べた使わなかった防災グッズ

防災用品の点検をしていると、足りないものより「一度も手に取らないまま何年も入っていたもの」のほうが多く出てきます。我が家も同じで、買った当時は必要だと思ったのに、袋を開けたことすらない道具がいくつもありました。この記事では、実際に出番のなかったものを理由つきで並べ、逆に「いらない」と言われがちなのに残しておくべきものを整理します。最後に、使わなかったグッズを寄付・処分するときの注意点までお伝えします。

目次

「いらなかった」の基準:買って後悔する3パターン

使わなかった防災グッズを並べてみると、理由はだいたい三つに分かれます。ひとつ目は、使う場面を具体的に想像しないまま買ったもの。コンパスや救助用ロープがその代表で、「あると本格的な感じがする」という理由で選ばれがちです。二つ目は、持ち出せない重さ・大きさのもの。三つ目は、すでに家にあるもので代わりがきくものです。

「いらなかった」の大半は品物が悪いのではなく、自分の避難のかたちと合っていないだけです。

ここが分かれ目になります。自宅が倒壊・浸水のおそれがなく在宅避難になる家と、すぐ避難所へ向かう必要がある家とでは、必要なものがかなり違います。まずは自治体のハザードマップで自宅の想定を確認して、「うちは在宅避難が基本」なのか「持ち出して逃げる」のかを決めてから買うと、無駄がぐっと減ります。

LEDランタンと携帯トイレ、保存水を並べた備え

いらなかった防災グッズランキング

編集部で実際に備え、点検のたびに「これは出番がなかった」と判断したものを、理由と代わりになるものの形でまとめました。順位は使わなかった度合いの順です。

順位使わなかったもの理由代わりになるもの
1コンパス自宅から避難所までの道は分かっている紙のマップに避難所を書き込む
2救助・避難用ロープ訓練なしでは使えず、かえって危ない使わない
3手回しラジオ回す労力に対して得られる電力が小さい乾電池式ラジオ+モバイルバッテリー
4携帯浄水器水を備蓄していれば出番がない保存水・給水袋
5ろうそく・マッチ余震のなかで火を使うのはリスクLEDランタン
6大型テント避難所では屋内へ案内される使わない
7厚手の毛布かさばって背負えないアルミ蒸着シート+薄手フリース
8大量の乾電池使う前に劣化し、液漏れの原因になる必要数+充電池

出番がなかったもの

上位に並ぶのは、災害そのものより「サバイバル」を想像して買ったものです。ロープは、扱いに慣れていない人が救助に使えば二次被害を招きます。携帯浄水器も、川や雨水を飲む場面を前提にした道具で、家庭の備えでは水そのものを備蓄するほうが確実です。目安は1人1日3リットル、最低3日分。夫婦二人なら18リットル、2リットルのペットボトル9本ぶんです。

手回しラジオは、災害報道のたびに売れる定番ですが、我が家では「回すのが面倒で結局スマホを見る」で終わりました。ラジオ自体は必要です。必要なのは手回し機構ではなく、乾電池で長く鳴ってくれる本体のほうでした。

かさばる・重いだけだったもの

厚手の毛布と大型テントは、置き場所を取るわりに使いませんでした。避難所は基本的に屋内に案内されますし、毛布は避難用リュックに入れるとそれだけで一杯になります。防寒はアルミ蒸着のシートと薄手のフリースに置き換えたところ、リュックの中身が半分ほど空きました。

乾電池の大量買いも見直した項目です。未使用でも数年で性能が落ち、液漏れすれば入れっぱなしの機器を傷めます。使う機器の分だけ持ち、日常でも消費して入れ替えるほうが結果的に確実でした。

100均で十分だったもの

逆に、防災専用品を買わなくてよかったものもあります。ホイッスル、アルミブランケット、レジャーシート、大きめのポリ袋、養生テープ、簡易ランタン。このあたりは110円(2026年8月現在)で必要な役割を果たしてくれます。とくにポリ袋と養生テープは、割れた食器の片づけ、窓の応急処置、簡易トイレの内袋と用途が広く、多めにあって困りません。

ただし、100円ショップで済ませないほうがよいものもあります。携帯トイレは凝固剤の量と防臭性能で差が出ますし、ヘルメットは規格表示のあるものを選ぶ意味があります。

モバイルバッテリーやポータブル電源は、PSEマークの表示と製造事業者名が確認できるものを選んでください。

いらないと言われがちだが、実は必要なもの

ランキング系の記事で「不要」に挙がりやすいのに、我が家では残したものがあります。まずヘルメットです。手回しラジオと違って、これは寝室の状況で判断が変わります。頭の上や横に背の高い家具・本棚・照明があるなら、置いておく価値があります。布製の防災頭巾は落下物の衝撃を受け止める設計ではないので、代わりにはなりません。逆に、寝室に倒れてくるものが何もない家なら、優先順位は下がります。

ラジオも同じで、不要なのは手回し式であって、ラジオという手段そのものではありません。停電と回線混雑が重なるとスマホの情報取得は不安定になります。気象庁や自治体の発表を確実に受け取る経路として、乾電池式の小さなラジオは一台持っておくと落ち着いていられます。

そして携帯トイレ。これは「いらない」と言われることこそ少ないものの、量を用意していない家がとても多い品です。1人1日5回として、二人暮らしで3日分なら30回分。断水すると自宅のトイレは流せなくなるので、ここを削ると在宅避難そのものが成り立ちません。

現金も同様です。停電中は電子決済もATMも止まります。千円札と小銭で数万円あれば、給水や買い物の場面で困りません。

ここだけは削らないでください

水(1人1日3L・3日分)/携帯トイレ(1人1日5回分)/明かり(一人1つ)/常用薬とお薬手帳の写し

ペットや高齢のご家族がいる場合は、フードと常備薬、予備の眼鏡もこの列に加えます。

「いらなかった」を防ぐ買い方のコツ

いちばん効くのは、買ったその日に一度使ってみることです。ランタンは点けてみる、携帯トイレは1回分を実際に使ってみる、非常食は封を開けて食べてみる。使い方を知らない道具は、非常時にも使いません。逆に、一度でも手を動かしたものは記憶に残り、暗い部屋でも扱えます。

次に、リュックに詰めたら背負って階段を上ってみてください。背負って5分歩けない重さは、非常時にも持ち出せません。私は最初に詰めたとき、玄関の段差でよろけて中身を三分の一減らしました。

そして、日常でも使えるものを優先すること。カセットコンロ、ボトル水、ウェットティッシュ、乾電池、レトルト食品。これらは使いながら買い足せば、期限切れで捨てる心配がありません。防災セットを買う場合も、中身の一覧を先に見て、すでに家にあるものが重複していないか確認してからにすると無駄が出ません。何から揃えるかで迷っている方は、本当に必要な防災グッズのリストから順に埋めていくのが近道です。

一度に全部揃える必要はありません。月にひとつ、買い物ついでに足していけば、一年で形になります。

モバイルバッテリーの端子をテープで絶縁する手元

手放すときの注意:寄付と処分の方法

使わないと決めたものは、袋から出しましょう。ただし、捨て方に注意が要るものがあります。

非常食は、期限が残っていればフードバンクに寄付できる場合があります。受け入れの条件は団体によりますが、未開封・常温保存可能で、賞味期限が1〜3か月以上残っていることを求めるところが一般的です。期限切れは受け付けてもらえません。また、事前の連絡や申し込みが必要で、倉庫の状況によって受け入れ可否が変わります。セカンドハーベスト・ジャパンのように防災食品の寄贈窓口を設けている団体もあるので、期限に余裕をもって相談してください。

寄付を当てにするより、期限が来る前に自分で食べて買い直すローリングストックのほうが手間もお金もかかりません。

モバイルバッテリーや充電式ライトなど、リチウムイオン電池を含むものは、燃えるごみ・不燃ごみに混ぜてはいけません。ごみ収集車や処理施設での発火事故につながります。端子をテープで絶縁したうえで、家電量販店などに設置されたJBRCの回収ボックス、または自治体が指定する回収ルートへ出します。膨らんでいるものは無理に押さえたり袋詰めしたりせず、回収先に状態を伝えてから持ち込んでください。この分野は制度の見直しが進んでおり、2026年4月以降、リチウムイオン電池を内蔵した製品の回収の仕組みが法律に基づくものへ切り替わる予定です。回収先は今後さらに増えていきます。

ヘルメットやリュックなど、まだ使えるものは、自治会や町内会の防災倉庫で受け入れてもらえることがあります。処分区分も含め、お住まいの自治体の案内で確認してください。

よくある質問

経験者が挙げる「いらなかった」の共通点は?

「買ってから一度も手に取っていないもの」です。コンパスもロープも浄水器も、店頭で見たときには必要に思えますが、家に着いた時点で袋から出されないまま終わります。点検のときに、一年間さわらなかったものを一列に並べてみてください。そこに残ったものが、たいてい次に手放す候補です。逆に、日常でうっかり使ってしまうもの(ランタン、養生テープ、保存水)は、非常時にも確実に使えます。

セット付属品の使わないものはどうする?

いきなり捨てず、まず「持ち出し袋から出す」だけにするのがおすすめです。防災セットの付属品は、使わないと判断したものでも家に置いておけば損はしません。ロープや大型テントのように扱いに危険や無理があるものだけを処分し、コンパスや浄水器のように場所を取らないものは押し入れや車のトランクへ移します。持ち出し袋の中身が軽くなるだけで、備えの実用性は上がります。

あわせて読みたいレビュー

使わなかったものの裏返しとして、実際に助かったものの記録もまとめています。停電と断水を想定した点検で手が伸びたものを、理由つきで並べた役立った防災グッズの記事が、優先順位づけの参考になるはずです。

備蓄の入れ替えに悩んでいる方は、おいしい非常食のレビューもどうぞ。おいしいと感じたものは自然に食べて買い足せるので、期限切れで捨てる回数が減ります。

防災グッズは、多く持つほど安心が増えるものではありません。水と携帯トイレと明かりと薬。この四つが家族の人数分そろっていれば、まずは合格点です。あとは点検のたびに、使わなかったものを一つ減らして、使いそうなものを一つ足す。それだけで備えは毎年よくなっていきます。

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